【シリーズ③】やっと出来た!!!シールドの周波数特性測定

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はじめに

こんにちは。Tepoです。

前回は以前自作したホワイトノイズ発生器を使ってシールドの周波数特性を測定し、見事に失敗しました。

原因はピックアップ(電気回路的にはインダクタンス(コイル))を考慮してなかったためです。

今回は、メルカリで購入したピックアップを回路に組み込み、ちゃんと測定できるか再挑戦してみました。

(そして、今回は見事に成功します!!!)

実験方法

今回使用した機材は下記のとおりです

  • ホワイトノイズジェネレーター:自作回路(前回作成したもの)
  • オーディオインターフェース:UR22mkII(STEINBERG)
  • シールド1:LC01-SA BLACK(CANARE)
  • シールド2: FL series 3.0m L/S (Ex-pro)
  • シールド3:VCC90 Cable Guitar & Bass Shield, Curl Cord Type, Length 23.2 ft (9 m), Black (VOX)
  • ピックアップ:不明(メルカリで購入したジャズベ用新品PUです(仕様書なし))
  • 周波数特性測定ソフト:WaveSpectra

今回購入したピックアップ。

メルカリでは新品となっていましたが、若干の傷あり。

そしてモールドケースとコイルの接着(含侵)がすでに外れているという若干怪しいものでした・・・(そして内部まで・・・詳細は後ほど)

購入したピックアップをホワイトノイズジェネレータに接続し、シールドでオーディオインターフェースに入力するという測定系を構築しました。(下図はシールド0m(コネクタ)の図です)

今回の回路は下図のとおりです。ホワイトノイズを入力として、L(ピックアップ)C(シールドの線間容量)がつながれています。

今回は手持ちの1m, 3m, 9mのシールドを使って周波数特性を測定してみます。

なんかおかしい・・・(ピックアップ断線)

準備もできたし、さあ測定開始!

今回は絶対成功する自信があったのですが、出力が出ない・・・

え・・・なんで。。。

ブレッドボードの接続を確認しなおしたり、電池の電流容量がそもそも足りないのか?とか出力インピーダンスが高すぎるのか?とか色々疑っても解決せず・・・

結局2時間くらい悩まされました。

まさかと思い、ピックアップを分解してみると。。。

コイルの線とそれを外へ引き出すための線とのハンダが外れていました。

そりゃ音出ないわ・・・

測定(そして遂に・・・)

ハンダで結線し直し、測定再開。

計測した結果が下記の通りです。

上からシールド①(1m)、シールド②(3m)、シールド③(9m)です。

各図赤線はピーク値、青線は100測定平均値です。

ピークの周波数がシールド長が長くなるにつれて低くなっている、すなわちより高域特性が悪くなっていることが確認できます。

また、シールドが長くなるにつれてよりピーキーなグラフになっているように見て取れます。

細かい理論計算は省きますが、おおむねRLCローパスフィルタ回路の周波数特性のような形状をしていますので、仮説のとおりです。

いやー、長いシールドほどやはり高域特性が悪くなるんですね。。。

ただ、ベーシストのスタイルはそれぞれですし、音楽を構成する要素は音だけではないはずです。

(それを最も表しているのはゴールデンボンバーでしょう。)

周波数特性よりも可動性を重視してカールコードを選択するか、徹底的に音にこだわって可能な限り短いシールドにするのか、やりたいことは人それぞれです!

まとめ

今回はホワイトノイズ発生器にピックアップを接続してシールドの周波数特性を測定しました。

その結果やはり長いシールドは高域特性が落ちることが確認されました。

今後は今回使用したピックアップやシールドの各種パラメータを測定して得られた結果の妥当性を理論的に計算してみたいと思います。

加えて、今回はメーカーも長さもバラバラのシールドで測定しましたが、長さをそろえてメーカを比較したり、同一シールドを異なる長さにしたときにどう変わるのか等を調べてみたいと思います。

なお、今回の測定結果は各メーカのシールドの製品特性等を保証するものではありませんし、使用するピックアップのインダクタンス値によって大きく変化します。加えてベースにはトーン回路等の他の周波数変化要因もあるためより複雑になります。

今回の測定結果はあくまで参考としてご覧いただければと思います。