【ベース弦比較】定番のベース弦を周波数分析して比較してみた

2022年2月1日

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はじめに

みなさんこんにちは。Tepoです。

今回は、どこの楽器屋さんでも売っている、ド定番ベース弦を比較してみたいと思います。

本ブログでは、これまでGoogle Coab+Python+librosaで解析した各弦単体の周波数特性について測定をしてきました。

今回は、各弦で周波数特性測定結果に基づいて弦を比較したものになります。

なお、各減の詳細な特性評価は下記に掲載しておりますので、こちらもご覧ください。

  • 【ベース弦分析①】WARWICK RED LABEL 4-STRINGS MEDIUM Nickelはこちら
  • 【ベース弦分析②】ERNIE BALL Hybrid Slinky Bassはこちら
  • 【ベース弦分析③】DR MR-45 HI-BEAM Stainless Mediumはこちら
  • 【ベース弦分析④】Richard Cocco RC4G N BASS STRINGS NICKEL ROUND WOUNDはこちら
  • 【ベース弦分析⑤】D’Addario EXL165TP Nickel Wound Bassはこちら
  • 【ベース弦分析⑥】ELIXIR NANOWEB Nickel Light Medium(045~105)はこちら

動画

測定条件

測定条件は下記で統一しています。

  • 弦を張ってから1,4,7日後に測定(張った日を0日として計算)
  • 各弦のゲージは045~105で統一
  • フレットの特性や私の握力のばらつき等を極力排除するため、3弦の開放弦の音で測定
  • 指弾き、ピック弾き、サムピングおよびプルで録音して測定

なお、周波数特性については、こちらの記事でも用いた自作周波数解析プログラムを用いて行います。

また、使用機材は下記の通りです。

  • ベース:Amaze ASM 4弦 (ESP)
  • ピック:PR1-BKH(SolidBond)
  • シールド:LC01-SA BLACK(CANARE)
  • オーディオインターフェース:UR22mkII(STEINBERG)

比較

WARWICK RED LABEL 4-STRINGS MEDIUM Nickel

WARWICK RED LABEL 4-STRINGS MEDIUM Nickel

価格:約1000円
弦の素材:ニッケル
弦のタイプ:ラウンドワウンド
弦の感触:一般的なラウンドワウンドのざらざら感がありますが、これと言って大きな特徴はなし。
感想:なんといっても安い。そして信頼のWarwick社です。音は特定の周波数が強く出ることがない、非常にバランスが良い弦です。ただ、張ってから7日で劣化が音に顕著に表れて、かなりデッドな音になってしまいました。ただ、この価格なら頻繁に交換してもお財布はデッドになりません。

ERNIE BALL Hybrid Slinky Bass

ERNIE BALL Hybrid Slinky Bass

価格:約2000円
弦の素材:ニッケル
弦のタイプ:ラウンドワウンド
弦の感触:一般的なラウンドワウンドのざらざら感がありますが、これと言って大きな特徴はなし。
感想:安定と信頼のアーニーボール。非常に周波数のバランスがとれています。劣化もそれほど進まず、やはり安定感があります。ただ・・・安定と信頼過ぎて、いい意味で特徴があまりない。スタンダードとはこういうことなんでしょうね。

DR MR-45 HI-BEAM Stainless Medium

DR MR-45 HI-BEAM Stainless Medium

価格:約3000円
弦の素材:ステンレス
弦のタイプ:ラウンドワウンド
弦の感触:弦をパッケージから開封し、触った瞬間「柔らか!」と思いました。この独特のしなやかさはこれまでの弦にはありませんでした。 (ステンレスだから???)
感想:非常に個性が強い弦。HI-BEAMの名の通り、高周波数成分がかなり強いです。スラップをすると非常に気持ちいいです。弦の感触は、ステンレスのためか非常に柔らかく好みが分かれそうです。

Richard Cocco RC4G N BASS STRINGS NICKEL ROUND WOUND

Richard Cocco RC4G N BASS STRINGS NICKEL ROUND WOUND

価格:約3000円
弦の素材:ニッケル
弦のタイプ:ラウンドワウンド
弦の感触:柔らかいです
感想:今回比較した中では最も私の好みでした。弦の感触は適度に柔らかく、弾きやすいです。また、倍音成分がどの周波数域でも多く、聴覚上も明らかに、倍音が豊かだなとわかります。この弦を張っただけでうまくなったような気がしてしまうほど素敵な弦です。この弦を一言で言い表すならば「雅」です。

D’Addario EXL165TP Nickel Wound Bass

D’Addario EXL165TP Nickel Wound Bass

価格:約3000円
弦の素材:ニッケル
弦のタイプ:ラウンドワウンド
弦の感触: 一般的なラウンドワウンドのざらざら感がありますが、これと言って大きな特徴はなし。
感想:高音域が元気です。ピックでロックやパンクを引くにはまさにこれといった感じがしました。劣化に対しても強く、非常に使いやすい弦です。

ELIXIR NANOWEB Nickel Light Medium

ELIXIR NANOWEB Nickel Light Medium

価格:約5000円
弦の素材:ニッケル
弦のタイプ:ラウンドワウンド
弦の感触: 若干のべたつきあり(プレイに支障をきたすものではない)。
感想:劣化に対してはやはり最強です。他の弦は7日目以降、少なからず聴覚上変化があるのですが、エリクサーだけはほぼ新品。張ってから数カ月たってもまだまだライブでも使えそうなくらい鮮度抜群でした。ただ、劣化保護のポリマーコーティングの影響か、表面が若干べたべたしています(演奏上気になるものではありませんでした)。音は、特定の周波数が出るわけでもなく、非常にバランスの取れた周波数分布です。

まとめ

今回は、 これまで測定してきた各弦の比較結果をまとめてみました。

下記の各記事では、奏法別に周波数分析を行っておりますので、さらに各弦の特性を知りたい方は是非ご覧ください。

  • 【ベース弦分析①】WARWICK RED LABEL 4-STRINGS MEDIUM Nickelはこちら
  • 【ベース弦分析②】ERNIE BALL Hybrid Slinky Bassはこちら
  • 【ベース弦分析③】DR MR-45 HI-BEAM Stainless Mediumはこちら
  • 【ベース弦分析④】Richard Cocco RC4G N BASS STRINGS NICKEL ROUND WOUNDはこちら
  • 【ベース弦分析⑤】D’Addario EXL165TP Nickel Wound Bassはこちら
  • 【ベース弦分析⑥】ELIXIR NANOWEB Nickel Light Medium(045~105)はこちら