【シリーズ②】シールドの周波数特性測定

2021年7月17日

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はじめに

こんにちは。Tepoです。

前回はシールドの周波数特性測定シリーズ①としてホワイトノイズの比較(スマホアプリ VS トランジスタ回路)を行い、測定環境整備しました。

今回は、前回構築した環境でいよいよシールドの周波数特性を測定してみたいと思います。

(そして、今回は見事に失敗します・・・)

実験方法

今回使用した機材は下記のとおりです

  • ホワイトノイズジェネレーター:自作回路(前回作成したもの)
  • オーディオインターフェース:UR22mkII(STEINBERG)
  • シールド1:LC01-SA BLACK(CANARE)
  • シールド2:VCC90 Cable Guitar & Bass Shield, Curl Cord Type, Length 23.2 ft (9 m), Black (VOX)
  • 周波数特性測定ソフト:WaveSpectra

長いシールドは周波数特性が悪いと一般的に言われます。でも、本当に悪いのだろうか・・・

単純にそう思ったので測定してみようと思った次第です。

そこで、測定で使っている短い1mのシールドと、カールコードと呼ばれる固定電話の親機のコードのようなシールド(巻いてあるので必然的に長くなる)を使って特性比較を行いました。

カールコードはVOXのものを使いました。

ちなみに、ベース歴20年目にして初めてのカールコード。

めちゃくちゃ重量感があります。

そして袋が付属してます。何か得した気分。

周波数特性をしてみた(そして失敗した)

今回はコネクタ(0m)とシールド1(1m)とシールド2(9m)で測定を行いました。

下図左からシールド長0m(コネクタ)、1m、9mでの、測定系および測定結果です。

予想は、なんとなくシールドが長くなるにつれて特性が悪くなる(高域がカットオフされる)と思っていましたが・・・

特性は3つともほぼ同じ・・・

各図下の周波数特性の赤線(各周波数ピーク値)がフラット。つまり、どこも特性が落ちていない。

このような斬新な結果が得られた場合、2つの可能性があります。

1つは「世紀の大発見」、もう一つは「ただの失敗」。

今回は・・・残念ながらおそらく後者です。

考察(なぜ周波数特性が落ちなったか)

今回の実験系をじっくり見ていて、気づいてしまいました。

「重要な登場人物を忘れている・・・」

そう。ピックアップです。

ピックアップは、磁性体に線を巻いた立派なL(コイル)です。

そのLとシールドの線間容量でLCフィルタを形成するために高域特性が落ちるのではないか。。。と。

ピックアップのコイルのインダクタンス値は数H程度らしいので、10Hとして先ほどと同様にベースの出力インピーダンスを200kΩ、シールドの線間容量500pFと仮定してRLC回路のカットオフ周波数を計算し(こちらのサイトの計算ツールを使わせていただきました。)、周波数特性を図示したものが下図となります。

カットオフ周波数は約3.2kHzです。

ということでメルカリで単体のピックアップをポチりました。

まとめ

今回は、前回構築した実験系でシールドの長さによる周波数特性比較を行いましたが、ピックアップによるインダクタンス成分を考慮する必要がありそうということがわかりました。

やってみないとわからない。

(やる前に気づけよという感じですが・・・)

次回は、今メルカリで配送中のピックアップを使って新たに実験系を構築して、再度シールドの長さによる周波数特性について測定をしてみたいと思います。