【ベース弦分析①】WARWICK RED LABEL 4-STRINGS MEDIUM Nickel(045~105)
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はじめに
みなさんこんにちは。Tepoです。
今回から、周波数特性分析を用いて、ベース弦の比較をやってみたいと思います。(前回の周波数特性記事はこちら)
ベース弦ってどれを選んだら良いか、とても迷いますよね。
値段が結構高いので、色々買い漁って比較するっていうわけにもいかないんですよね…
色々なサイトや動画で解説などもされてますが「この弦は高域がギラギラしていて…」とか「この弦はモッサリしてて…」など、どうしても主観的な表現が多くて分かりづらいです。
また、世にある比較動画は弦を張った直後に比較検討しているものがほとんどです。
でも、チューニングの安定性から、ど新品の弦を張ってライブ!ってあまりやらないですよね。
時間と共に音がどう変化するかを検証することも大事かなと思います。
そこで、本記事では
- 周波数特性解析による数値での評価
- 弦を張ってからの時間経過を考慮した評価
の2つに着目して各弦を評価してみたいと思います。
測定条件
今回は測定条件として下記を統一しています。
- 弦を張ってから1,4,7日後に測定(張った日を0日として計算)
- 各弦のゲージは045~105で統一
- フレットの特性や私の握力のばらつき等を極力排除するため、3弦の開放弦の音で測定
- 指弾き、ピック弾き、サムピングおよびプルで録音して測定
なお、周波数特性については、こちらの記事でも用いた自作周波数解析プログラムを用いて行います。
また、使用機材は下記の通りです。
- ベース:Amaze ASM 4弦 (ESP)
- ピック:PR1-BKH(SolidBond)
- シールド:LC01-SA BLACK(CANARE)
- オーディオインターフェース:UR22mkII(STEINBERG)
使用弦(WARWICK RED LABEL 4-STRINGS MEDIUM Nickel(045~105))
シリーズ初回の今回は、WARWICK RED LABEL 4-STRINGS MEDIUM Nickel(045~105)の測定を行いました。
あまりメジャーではない弦ですが、手元に新品があったので初回測定に用いました。
ニッケル
ラウンドワウンド
一般的なラウンドワウンドのざらざら感がありますが、これと言って大きな特徴はなし。
周波数特性測定
ピック弾き
まずは1日目と7日目のピック弾きを比較してみましょう。
実際の音はこんな感じです(上:1日目、下:7日目)
明らかに違いますね。1日目のほうが新品の音(高域が元気)がします。
次にこれらの音の周波数分析を行った図を見てみましょう。
この図の見方は横軸が時間、縦軸が周波数そして描かれている色がある時刻における特定の周波数の強さを表しています。
カラースケールの通り、黄色に近いほどその周波数を多く含んでおり青に近いほどその周波数を含んでいないことを示します。
両図とも、基本周波数である55Hzが強く出ています。
また、110Hz、220Hz・・・の倍音が含まれています。
7日目の方が高域倍音(500Hz以上)が明らかに落ちています。
「新品の弦の音がする~」というのはここら辺の周波数息が関係してそうです。
指弾き
次に指弾きについてみてみましょう。
音はこんな感じです。
そして周波数解析結果は下記のとおりです。
1000Hz以上が7日目ではスコッっと落ちてます。
スラップ弾き(サムピング)
次にスラップ弾き(サムピング)についてみてみましょう。
音はこんな感じです。
そして周波数解析結果は下記のとおりです。
サムピングが最も差が出ました。
500Hz以上が7日目に急激に落ちます。
スラップ弾き(プル)
次にスラップ弾き(プル)についてみてみましょう。
そして周波数解析結果は下記のとおりです。
こちらも500Hz以上が7日目に急激に落ちます。
演奏動画
まとめ
今回は、WARWICK RED LABEL 4-STRINGS MEDIUM Nickel(045~105)の分析を行いました。
オクターブ上の2倍音が時間と共に減衰するのは直観的に理解できますが、その他の倍音が増減することは驚きでした。
初回の今回を基準データとして、今後は様々な弦の周波数分析比較を行っていきたいと思いますので、是非ご覧ください。
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