【ベース弦比較】DR HI-BEAMSとFAT-BEAMSを徹底比較

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はじめに

みなさんこんにちは。Tepoです。

前回の更新からかなり時間が空いてしまいました・・・サラリーマンの趣味は大変です・・・

今回は、以前DRのHI-BEAMSを分析した際に、Youtubeで「FAT-BEAMSも検証してほしい」と要望があったため、HI-BEAMSとFAT-BEAMSを比較してみました。

測定条件

測定条件は下記で統一しています。

  • 弦を張ってから1,4,7日後に測定(張った日を0日として計算)
  • 各弦のゲージは045~105で統一
  • フレットの特性や私の握力のばらつき等を極力排除するため、3弦の開放弦の音で測定
  • 指弾き、ピック弾き、サムピングおよびプルで録音して測定

なお、周波数特性については、こちらの記事でも用いた自作周波数解析プログラムを用いて行います。

また、使用機材は下記の通りです。

  • ベース:Amaze ASM 4弦 (ESP)
  • ピック:PR1-BKH(SolidBond)
  • シールド:LC01-SA BLACK(CANARE)
  • オーディオインターフェース:UR22mkII(STEINBERG)

使用弦

今回比較するのはこれです。

個性的なベース弦を作るDRです。

その中の2つを比較しました。

Youtube

各奏法(ピック、指、スラップ)での比較動画をYoutubeにまとめましたので演奏比較はこちらからご覧ください。

3弦開放音の比較

弦を張った直後から弦は劣化します。ただ、張った直後はチューニングがなかなか安定しないので、ライブ数日前に張り替える人が最も多いかと思います。

それを考慮し、本検証では、弦を張ってから4日目の音を比較しました。

ピック弾き

HI-BEAMSの音はこんな感じです。

続いてFAT-BEAMSはこんな感じです。

やはり、HI-BEAMSの方が高域が出ています。FAT-BEAMSの方は粘っこいというか、ローミッドが出ていて太さを感じます。音の特性は弦の名のとおりですね。

指弾き

HI-BEAMSの音はこんな感じです。

続いてFAT-BEAMSはこんな感じです。

ピックに比べて指弾きは奏法の特性として高域が削られるので、ピック弾きほど派手な差はありません。

ただ、弦を弾いてから「ビーーーーン」という高域がHI-BEAMSには存在しています。

プル

HI-BEAMSの音はこんな感じです。

続いてFAT-BEAMSはこんな感じです。

HI-BEAMSの方は「みゃーーーーーん」、FAT-BEAMSの方は「みょーーーーーん」という感じです(?)

これは完全に好みというかスタイルで分かれそうですね。私の場合は、ベースがスワンプアッシュ材で割とブライトな音が出るので、FAT-BEAMSで音の太さを補うような使い方が好みです。

パキパキな音を求めたいという方はHI-BEAMSの方がいいかもしれません。

周波数特性測定

Python+librosaで書いた周波数解析プログラムを用いて、弦を張ってから4日目の3弦開放の音(ピック弾)を周波数解析して比較してみます。

左図がFAT-BEAMSで右がHI-BEAMSの周波数特性です。

ぱっと見ると、HI-BEAMSの方が倍音成分が多い気がします。

高域を拡大してみます。

高域がHI-BEAMSの方がより出ているのが見て取れます。

今度は中低域を拡大してみます。

中低域の中でも特に、3弦開放の基本周波数である55Hzの4倍音成分(220Hz)付近が強いように見受けられます。

HI-BEAMSは高域まで倍音成分を存分に出す弦で、FAT-BEAMSは中低域に絞って倍音成分を強く出す弦という感じでしょうか。両社ともその名のとおり異なったビームを放つ非常に良い弦だと思います。

まとめ

今回は、 DRのHI-BEAMSとFAT-BEAMSの比較を行いました。

その名のとおり、HIとFATな弦でした。DRは他にも多数ラインナップがありますので、また比較してみたいと思います。